『新世界』から読み解くキンコン西野のターゲットの変化【考察】
こんにちは、てりーです。
キンコンの西野の『新世界』という本が全文無料公開されていたので一通り読みました。
内容などはこちらにまとめました。
これから書く内容は考察になるので
まだ本書を読んでいない人はこの記事を見るか
無料公開の文章をみて内容について理解した上でこの記事を見ると良いと思います。
『新世界』を読んで感じたこと
1章 貯信時代
内容的には結構前から言われている「信用」の重要性について。
とにかく分かりやすく説明されていて
親しみの持てる事例もめちゃくちゃ多い。
一見ぶっ飛んでるように見える「貯金」よりも「貯信」という考え方に対して小学生でもわかるぐらい噛み砕いて説明しくれている。
その代わりに内容としての真新しさはあまり感じなかった。
「信用」については革命のファンファーレなどで触れている内容と根本は一緒。
それを事例を変えて分かりやすさと魅せ方を変えている印象。
2章 オンラインサロン
西野さんから見たオンラインサロン論が語られていた。
ちょっとオンラインサロンの活動報告みたいな内容に寄りすぎていた印象。
事例が踏んだんで分かりやすいが、それが一周回ってくどいように感じ
エンタメ研究所の告知のように感じる場面もあった。
ただ西野のエンタメ研究所はとてもキラキラしていて楽しそう。
毎月1000円なら1ヶ月試しに入って見たいと思わせられた。
西野のエンタメ研究所はこんな感じ。
考察
読んで見てめちゃくちゃ肩透かしを食らった。
前回の「革命のファンファーレ」の時とだいぶ文章からにじみ出る印象が違うからだ。
「革命のファンファーレ」の時は創造者としての西野さんの頭の中を表現し
その考えがどれだけ素晴らしいかが論理的に書かれていた。
なので理系の僕としては読みやすく、西野さんすげーってなった。
それに対して今回の『新世界』は"分かりやすさ"と"感情"に力を入れていた。
ふんだんに事例を使い。寄り添うような文体。
随所にオンラインサロンメンバーを背負っていることを匂わせる表現など万人に向けたコラムのような内容だった。
「革命のファンファーレ」の時との違いから読み解くターゲットの変化
「革命のファンファーレ」は西野さんの世界観が直で出た作品でした。
その代わり人によって好き嫌いが別れる感じ。
これは西野さんとしては自分の価値観と近い人たちにメッセージを届けることを重視しての戦略だと思います。
西野さんと一緒に面白いことに没頭していきそうなイノベーター達を囲うことが目的。
その後、西野さんの創造者としての知名度も上がってきて会員数1万8000人。
国内最大級のオンラインサロンになりました。
それもあって今回の新作では完全に「万人ウケ」狙いに見えます。
普段ビジネス書をバリバリ読んでいる人には薄味に感じそうです。
それでもそういうビジネス層をバッサリ切り捨ててでも
"分かりやすいさ"を追求して
"感情"に訴えかけて多くの人の心に届かせてやる!!という気概すら感じられる徹底ぶりでした。
これは西野さんの
「イノベーターになるような人たちは仲間に出来た。
でもまだ懐疑的な人も多いし世間の支持が低くて出来ないこともたくさんある。
『新世界』で一般の人たちを巻き込んでいくことで市民権を得るぞ!!」
的な考えが基盤にありそうですね。
『新世界』はすでに読み手のものだけではない??
本文の中でしきりに語られていたオンラインサロンメンバーたちとの交流。
1つのプロジェクトに対して様々な人が立場関係なく意見し合い参画する文化。
そういったものが西野のエンタメ研究所にはあるように感じた。
この本も西野1人で書いた本ではなくエンタメ研究所のみんなで書いた本。
そういった認識がオンラインサロン内にありそう。
(実際に感情面に対するアドバイスをオンラインサロンメンバーにされて参考にしたと西野も本書に書いていた。)
2章のオンラインサロンの章がエンタメ研究所の巨大な巨大な広告になっていることもあり、サロンメンバーみんなで『新世界』を一般層まで流通させよう。
という一体感が感じられた。
普通なら10万部売れればヒット作な出版業界において
西野がしっかりと売れている『新世界』を発売して1ヶ月ほどで無料公開に踏み切った事実から
目先の本などで得られるお金よりも一般人達に対する信頼を獲得することを重視しての施策なのかなーって思います。
まとめ
こう考えると来年はますます世間での西野の知名度は上がっていきそうですね。
僕自身も本書の中で紹介されていた「しるし書店」や「レターポット」などのサービスの手を出してみようともいます。
てりー。